G・ラブの『フィラデルフォニック』はヒップホップとブルースを融合させた革新的なルーツロック作品
50年代から黒人のブルースに魅せられた白人ロッカーは数多いが、ギターテクニックを磨くことで人気を得る場合が少なくない。ところが、94年にデビューしたG・ラブはエレキギターを中心にしたシカゴブルースではなく、古いデルタブルースのスタイルを基にしてヒップホップ的なサウンドを加味するという、それまでにまったくなかったスタイルを創り上げた。21世紀になってからはオーガニック系のサーフミュージックの旗手としても認知されるようになったが、デビュー当初から彼の基本的なスタンスは変わっていない。今回はオーガニック系と呼ばれる要因となった、ジャック・ジョンソンとの初のコラボ作『フィラデルフォニック』を紹介する。