有頂天
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有頂天ウチョウテン
現在では劇団「ナイロン100℃」の主宰者、劇作家/舞台演出家として知られるケラリーノ・サンドロヴィッチことケラが、かつて率いていたバンドが有頂天である。80年代半ばの、いわゆる「インディーズ・ブーム」の主役をラフィン・ノーズやウィラードとともにつとめ、またレーベル<ナゴム>を主宰して「ナゴム・ギャル」なる少女たちを吸引するなどしてシーンをもり立てた意味あいは——それが功罪半ばするものであったとしても——大きい。
有頂天は82年に結成され、その翌年には<ナゴム・レコード>が設立されている。テクノ・ポップの流れを汲む音楽性や、シニカルなユーモア感覚、オプティミスティックだが虚無感の漂う世界観、演劇的なパフォーマンスなどで際だった個性を獲得した有頂天だが、ザ・スターリンやじゃがたら、ハードコアやポジティヴ・パンクなどが隆盛をきわめていた80年代前半のインディーズ・シーンではなかなか評価されず、<ナゴム>も当初は数ある弱小インディのひとつに過ぎなかった。その風向きが変わったのが、チューリップのカヴァー「心の旅」がオリコンのシングル・チャートにランクされるヒットを記録した85年あたりから。NHKのテレビ番組『インディーズの襲来』とともに訪れたインディーズ・ブームの主役に祭り上げられた有頂天は翌86年に鳴り物入りでメジャー・デビューを果たす。最初の劇団である「劇団健康」が85年に設立されるなど、ケラの活動は多方面に渡った。また<ナゴム>(89年に活動停止)からは、ばちかぶり(田口トモロヲ)、筋肉少女帯(大槻ケンヂ)、人生(後の電気グルーヴ)、たま、カステラといったバンドを輩出した。そのプロデューサーとしての手腕も特筆すべきだろう。
とはいえ、メジャー資本のインディーズ参入や、「ナゴム・ギャル」なるミーハー・ファンを呼び込むことで、本来はメインストリームへのカウンター/オルタナティヴとして機能すべきインディーズ・シーン全体を、メジャー/メインストリームへと同化する/させる動きを結果的に決定づけてしまったことは、そのことがケラらの本意ではなかったにせよ、「功罪」の「罪」のひとつだった。
有頂天は皮肉にも自らが引き起こしたインディーズ・ブームに続く、バンド・ブームのさなかの91年に解散。ケラはロング・ヴァケーションなる新バンドを組むが、これも95年に活動停止。その後新ユニット、ザ・シンセサイザーズを結成し、98年には<ナゴム・レコード>を再開したものの、近年はこれといった音楽活動はしていないようだ。 (小野島 大)
有頂天は82年に結成され、その翌年には<ナゴム・レコード>が設立されている。テクノ・ポップの流れを汲む音楽性や、シニカルなユーモア感覚、オプティミスティックだが虚無感の漂う世界観、演劇的なパフォーマンスなどで際だった個性を獲得した有頂天だが、ザ・スターリンやじゃがたら、ハードコアやポジティヴ・パンクなどが隆盛をきわめていた80年代前半のインディーズ・シーンではなかなか評価されず、<ナゴム>も当初は数ある弱小インディのひとつに過ぎなかった。その風向きが変わったのが、チューリップのカヴァー「心の旅」がオリコンのシングル・チャートにランクされるヒットを記録した85年あたりから。NHKのテレビ番組『インディーズの襲来』とともに訪れたインディーズ・ブームの主役に祭り上げられた有頂天は翌86年に鳴り物入りでメジャー・デビューを果たす。最初の劇団である「劇団健康」が85年に設立されるなど、ケラの活動は多方面に渡った。また<ナゴム>(89年に活動停止)からは、ばちかぶり(田口トモロヲ)、筋肉少女帯(大槻ケンヂ)、人生(後の電気グルーヴ)、たま、カステラといったバンドを輩出した。そのプロデューサーとしての手腕も特筆すべきだろう。
とはいえ、メジャー資本のインディーズ参入や、「ナゴム・ギャル」なるミーハー・ファンを呼び込むことで、本来はメインストリームへのカウンター/オルタナティヴとして機能すべきインディーズ・シーン全体を、メジャー/メインストリームへと同化する/させる動きを結果的に決定づけてしまったことは、そのことがケラらの本意ではなかったにせよ、「功罪」の「罪」のひとつだった。
有頂天は皮肉にも自らが引き起こしたインディーズ・ブームに続く、バンド・ブームのさなかの91年に解散。ケラはロング・ヴァケーションなる新バンドを組むが、これも95年に活動停止。その後新ユニット、ザ・シンセサイザーズを結成し、98年には<ナゴム・レコード>を再開したものの、近年はこれといった音楽活動はしていないようだ。 (小野島 大)
有頂天のニュース
- OKMusic編集部2020年07月29日
- OKMusic編集部2020年07月22日
- OKMusic編集部2020年06月18日
有頂天の連載コラム
- OKMusic編集部2021年07月14日
- OKMusic編集部2014年09月24日
曲・アルバム
カフカズ・ロック/ニーチェズ・ポップ
2016年12月14日リリース
アルバム・16曲- 1 知恵の輪プレゼント
- 2 箱 (永劫回帰)
- 3 monkey's report (ある学会報告)
- 4 知恵の輪ブレイクアウト
- 5 カフカズ・ディック
- 6 ロコモーション
- 7 100年
- 8 コレカラノヒト
- 9 幽霊たち
- 10 ラッキーさん
- 11 懐かしさの行方
- 12 世界
- 13 墓石と黴菌
- 14 ニーチェズ・ムーン
- 15 Not Departure
- 16 城
カフカズ・ロック/ニーチェズ・ポップ
ピース
2016年09月21日リリース
アルバム・14曲- 1 BYE-BYE(Single Version)
- 2 BYE-BYE
- 3 べにくじら
- 4 キョコウフクロウの話
- 5 サボタージュ
- 6 ころころ虫
- 7 パンクロームフィルム
- 8 カイカイデー
- 9 ト・モ・グ・イ
- 10 コレクション REMIX
- 11 マリオネットタウンでそっくりショー
- 12 フューチュラ
- 13 コレクション
- 14 サングラスにプールを
ピース
lost and found - EP
でっかち
2004年04月01日リリース
アルバム・11曲- 1 Lonely School Boy's Death
- 2 オードリー・ヘプバーン泥棒
- 3 ジュジュマンのうた
- 4 いけにえの人
- 5 待ちたい人
- 6 フィニッシュ・ソング
- 7 でっかち
- 8 大失敗 '91
- 9 フクスケ ゴーズ トゥ スクール
- 10 学校へ行こう
- 11 卒業
でっかち
カラフルメリィが降った街
2004年04月01日リリース
アルバム・16曲- 1 2090年のクーデターテープ
- 2 EVERYDAY BIRTHDAY’S TRIP
- 3 SHELL SHOCK
- 4 ダイヤル0(ゼロ)
- 5 SUPER■■■■■■R&R SHOW
- 6 いつもの軽い致命傷の朝
- 7 最悪の接触(ワースト・コンタクト)
- 8 TOKYO FUCK ELEPHANTS
- 9 それでも地球は曲がっている。
- 10 デイアフターズ・アフター(眠り姫、レミニッセンスをキカイにたたきこむ)
- 11 アローン・アゲイン
- 12 なんでもない街(居眠り姫バラバラ事件)
- 13 有頂天のドレミの唄
- 14 ニュース
- 15 1990年のカラフルメリィ
- 16 HAPPY SLEEP
カラフルメリィが降った街