巻上公一

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    巻上公一マキガミコウイチ

    一般にはヒカシューのリーダーとして、日本のニュー・ウェイヴ/テクノ・ポップの元祖として70年代後半から現在に至るまでの精力的な活動と、特異なヴォーカル・スタイルで知られる巻上公一は、音楽家というだけでなく、舞台演出家、俳優、パフォーマー、プロデューサー、オーガナイザーとしても活躍している。その活動は多岐に渡り、公式プロフィールに記された肩書きだけでも、超歌唱家、ヒカシューのリーダー、日本トゥバホーメイ協会代表、ベツニ・ナンモ・クレズマー専属歌手、日本口琴協会会員、J-scat(日本作詞作曲家協会)理事、日本音楽著作権協会評議員、人体構造力学「操体法」インストラクター、中国武術家と、実に数多い。高橋悠治、三宅榛名、梅津和時、デレク・ベイリー、ジョン・ゾーン、フレッド・フリス、ベンチャーズなど、内外のミュージシャンとの交流も多い。
    巻上は56年生まれ、73年に「東京キッドブラザーズ」に入団、76年には自らの主宰する劇団ユリシーズを結成する。そして数々の公演活動を通じて集まったメンバーを糾合して78年にヒカシューを結成し、バンドとして活動を開始。「東京ロッカーズ」ムーヴメントでわき上がる東京のアンダーグラウンド・シーンで精力的なライヴ活動を展開し、79年末に東芝からデビュー。82年には初ソロ・アルバム『民族の祭典』をリリースする。ヒカシュー以上に毒や狂気を感じさせる世界が展開され、それはさらに、歌謡曲を再解釈した「新歌謡」を繰り広げたソロ2作目『殺しのブルース』(ジョン・ゾーンがプロデュース)に受け継がれ、発展していく。
    ほかにも完全即興ソロ・ヴォイスによる『KUCHINOHA』、ヴォイス/電気口琴による『ELECTRIC EEL』などのアルバムを発表し、その独特のパフォーマンスで、巻上でしかありえない世界を繰り広げている。その魅力は深く、しかも幅広い。 (小野島 大)

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