リザード

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    リザードリザード

    70年代に出現した東京アンダーグラウンド・シーンのカリスマ。
    ケバケバしい衣装をまといグラム・ロックを展開した前身バンド“紅蜥蜴”は、黒いツナギに身をつつんだリザード・アーミーへと脱皮をはかる。1stアルバム『LIZARD』(79年)では重量感のあるリズム隊を主軸に、スペーシィなキーボードが縦横無尽に炸裂するテクノ・ポップ寄りのニューウェイヴ・サウンドを展開——モモヨの痙攣するようなビブラートがかったヴォーカルは、近未来都市生活と下町への憧憬を同居させた詞世界を描き出した。その後、『邪都戦士』(80年)では、ダブへのをアプローチもみせ進化を遂げるが、メンバーの脱退や事故/モモヨの薬物不法所持などにより次第に内省的な方向へと向かっていったのだ。続く『ジムノペディア』(81年)は、まさにメッキが剥げ落ちたような退廃的内容の作品であった……。
    その後もリザードという名義のもと、モモヨのソロ的スタンスでバンドは継続するが、自然とその影はうすれ、トカゲのシッポは切らた。……と、思われが、現在リザードは、モモヨの音楽プロジェクトとしてバーチャル空間でのみ活動を行っている。

    リザードの連載コラム