パール

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    パールパール

    ソロ活動を続けていたヴォーカルのSHO-TA——ジャニスを敬愛する彼女が97年に再びPEARLというバンド名で帰ってきた時、そのラインナップに一番驚いたのは往年の洋楽ロックのリスナーだろう。オリジナル・メンバーはSHO-TAのみで、ギターはFENCE OF DEFENSEの北島健二。そしてリズム隊はTHE FIRM、BLUE MURDERなどに在籍していたベテラン・ベーシストのトニー・フランクリンとVANILLA FUDGE、BECK,BOGAERT&APPICEでの活動で知られるカーマイン・アピスという布陣。強力というか、何とも渋いラインナップだ。
    PEARLは87年にアルバム『PEARL FIRST』でデビューしたがメンバーの相次ぐ脱退で、実質的には89年に出した4枚目のアルバムからはバンドというよりSHO-TAのソロ・プロジェクトの名前になっていた。その後、彼女は移籍を機に94年からソロ・アーティスト田村直美として再出発し、数々の大ヒット曲にも恵まれるなど順調に活動を続けるが、やはりバンドという形態、あるいはPEARLそのものにこだわりがあったのか。ソロ活動を続けながら前述の新生PEARLを結成する。
    熟練したミュージシャンのサポートを受けて再出発したこのバンド。サウンド的にはブルージーなロック〜ハード・ロック系のものやダイナミックな揺れを擁したバラードなどが中心。奇をてらうことなく、おそらく自分にとっての普遍的なロックに包まれながら伸びやかに唄うSHO-TAのエモーショナルなヴォーカルが印象的だ。

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