もっと優しい日常を、日々の狭間の豊かさを思い出す音楽
夜な夜な、パソコンのキーボードをタイプし、SNSでアップカミングなアーティストをリサーチする生活を送っていると、この時期は散弾銃のように鳴り響く雨音や、足元にへばりつくアマガエルだとかナメクジから逃げ惑うように曇天模様の下を全力疾走していたことを忘れてしまいそうになります。寄席や映画館でスマートフォンの電源を切った時、ようやく自分以外の人間の存在に気付き、そう言えば隣の見ず知らずのお客さんは日頃どんな作品に触れているのだろうと思い馳せ。思考の渦を電子の海に放流する前に、体の中に押し留めたままで、どれほどの色彩や奥行きに気付くことができるかと、最近はそんなことばかり考えています。なので、今回はそういった諸々を再び手の中に戻してくれる音楽を紹介します。